Vol.1 飛行士役 横山 敬さんにインタビュー「ウエストサイドストーリー」「ザ・ボーイ・フロム・オズ」「ビューティフルゲーム」「テネシーワルツ〜江利チエミ物語」など、ニュージカルに数多く出演されている横山さん。 『星の王子さま』ではひまわりの研究生たちとも久しぶりの共演になりますが、 今回のご出演に際してのお気持ちは? 横山 「毎回そうですけど、舞台上での経験、演じる役、それはどれひとつとっても無駄ではないということをいつも心に置いて舞台に立つようにしています。そして今回こうして『星の王子さま』の飛行士を演じられる機会を与えていただいたことを非常に感謝しています。久々に子どもたちと一緒にやれるのが今から楽しみですね。子どもにはいつも驚かされるというか、学ばせてもらうところも多いですから。 と、いいますと? 横山 「原作は昔から親しんでいました。子供のころは、挿絵を見ることが中心で(笑)。でも18か9の時にちゃんと読んだら、衝撃をうけたんです。“大切なことは目に見えない”っていうのが理解できて、初めて涙を流しながら読んだんですよ。 物語の世界をよりリアルに感じることが出来たと。 横山 「俳優は、舞台に込められた思いをお客様と共有できれば最高の仕事をしたことになります。例えば、演じる俳優“横山 敬”はこの物語のシナリオ全てを知っていて、結末もわかっていますが、舞台上での“飛行士”は、これから起きる物語を知らない。その飛行士の発見や体験、感じた思いをお客様とリアルタイムで共有できるよう、毎回リフレッシュしながら演じていきたいですね。」 本当にそうですね。では、原作がミュージカルの舞台になることで、何か違いを感じられましたか? 横山 「基本的にはそれほど変わらないと思いますよ。今回の脚本は、河野万里子さんの日本語訳本に忠実にそって進んでいます。原作は飛行士の目を通して王子さまを描く文と、作者自身の描いた挿絵がミックスされてひとつの世界観を構成していますが、舞台ではそれら全てを生身の人間が演じるわけですから、そこを役者がどう表現するか、難しいチャレンジですね…。 共演される2人の王子さまについての印象はいかがですか? 横山 「自分のブログにも書いたんですが、演出家と飛行士役のことを話してて…モチーフのサン=テグジュペリのことなんですが、なんというかある意味“子どもの感性”を持ち続けた大人じゃないですか。でも、それってもしかしたら本当はみんなが持っているんだと思いながらまず自分なりにね、役をつくっていっていざ稽古で2人の王子さまを相手にしたら、用意したものが全部吹っ飛んだ…、演技って相手とコミュニケーションをとることによって全然変わってくるんだなって思いました。 天使、ですか? 横山 「僕は30を超えた大人だけど、それが2人の無垢な存在と触れ合ったときに今までの自分の知識や過去の経験でごまかすなんてできない、と強く感じられたんです。それを教えてくれたのが『星の王子さま』かなって。 なるほど、そういうことですね。 横山 「王子さま2人と稽古していて“あ、もう彼らがちゃんと連れて行ってくれるんだな”と素直に思えました。実際は9歳の男の子と22歳の女性なんですがそういうのを抜きに、この世界観にぴったりの2人なんだなと思いました。これもアリ、あれもアリ、って、いろいろと教えられます。」 それでは可愛くて仕方ないって感じになりませんか? 横山 「それはもう!可愛くて仕方ないですよ!だから、別れが辛い…!!稽古で何度も別れのシーンを演じるでしょ?あれはつらい(泣)。本番まで涙はとっておこうと思うんだけどね。」 毎回こらえているんですか(笑)? 横山 「いや、やっぱり泣いてる(笑)!かなり! 稽古を見ていてよくわかります。では、最後に観に来てくださる方々へメッセージをお願いします。 横山 「舞台をつくる役者・スタッフとお客様がうまくコミュニケーションとれたかどうかって、実はお客様のほうが良くご存知だし、詳しいんですよね。ですから僕は逆にお客様からメッセージをひとつでもいただいて共有することが出来れば幸いだと思っています…というのが、僕からのメッセージですね。」 今日は素敵なお話をありがとうございました。 <聞き手>斉藤 崇 |