〜ポーランド、コルチャック研究所よりマルタ・ チェシェルスカさんを迎えて〜

マルタ・チェシャルスカさんの講演会は終了し ました。
ご来場ありがとうございました。


マルタ・チェシェルスカ・プロフィール

1952年ワルシャワに生まれる。
1976年、ワルシャワ大学ポーランド文献学部を優等で卒業。
1977年、教育学調査研究所に新しく作られたコルチャック研究室で仕事を 始める。

今日に至るまで、コルチャックの生涯と創作そして受容を調査研究し、
その事実を文書などで証明する仕事に携わる。
主な仕事内容は、文書・記録保管人、伝記や書誌、出版校訂や発行、そして学 問的情報案内などである。
数年前からコルチャックの著作を探し手に入れて発表する、彼の業績を学術論 文に仕上げる、
その他の情報源となる資料(例えば、孤児院の史実、ステファ・ヴィルチィン スカのような
コルチャックの協力者の遺稿など)によってコルチャック研究を豊にするなど の仕事にも参加。
1992年から「コルチャック選集」の編集委員会の書記を務める。
全16巻ある選集のうち数巻の著作にあたり、また学術論文の共著者でもあ る。
(1、10、12巻はすでに出版。全巻が仕上がるのは2002年か2003 年の予定)
コルチャックのテーマに関心のある個人および団体のために
"KORCZAKIANUM"の普及活動や諸相談に積極的に参加する。
この活動の中には保管所の収蔵コレクションや常設の孤児院史展などがある。
1998年秋から高等教育学校(職業学校)のコルチャック調査研究室で、
一般教育学専攻の学生たちの授業を受け持つ。ポーランドおよび諸外国
(オーストラリア、イスラエル、ドイツ、ロシアなど)で行われるコルチャッ クに関する数多くの会合、セミナー、会議に参加。
ヤヌシュ・コルチャック記念ポーランド協会の会員であり、"コルチャッ クの脊柱"という協会会報誌の編集に協力する。


はじめからずっと長い歳月にわたり、これらが私の職業的な活動となり関心事 であり学究心ですが、
率直に云えばコルチャックという人物と彼の業績に陶酔しているのです。
―マルタ・チェシェルスカ―


 

『私は愛されるために存在するのでなく、愛する人々のために存在 し、行動する。
私に役立つ周囲の事物には責務はないが、私は世界や人間に対して配慮する義務があ る―ヤヌシュ・コルチャック―』
ヤヌシュ・コルチャックは、1878年から1942年までポーランドに生きた実在 のユダヤ人です。
89年連帯が崩壊し、民主主義が訪れたポーランドでは、今やコルチャックは聖人と してあがめられています。
なぜ、コルチャックは、ポーランドの、そして世界中の人々を魅了してやまないの か?

コルチャックは、ポーランド軍の将校で、医者、作家、教育者、ラジオのパーソナリ ティとして、広い分野で子どもの問題を世に提議しました。
また、自らが設立した孤児院で彼が実践したのは、「子どもの議会」「子どもの裁 判」「子どもの法典」。
ホームの運営を厳しい管理や強制でなく、子どもたちの自治に委ねたのでした。
コルチャックは、一人一人の子どもの中に、人間の本性にある邪悪を克服する良心の 輝きがあることを信じていたのです。
子どもを一人の人間として尊重し、子どもたちの自治による世界を実現するという、
今日から見ても革新的な教育を実施した彼の主張は、1989年に国連で制定された 「子どもの権利条約」に生かされています。
1942年、自分だけに差し伸べられた救いの手を拒み、彼はあえて子どもたちとの 死を選びました。
"人としてどう生きるか"は永遠のテーマ。コルチャックの生き方を通して 私たちは、人間としての生き方を学ぶことができるのではないでしょうか。


ヤヌシュ・コルチャックは、作家、教師、心理学者、社会教育活動家、
医師であった。彼は、ワルシャワ大学を卒業後、
ベルリン、パリ、ロンドンで医学の勉強を続け、
1905年から1912年には子ども病院の医者を務める。
1912年にはユダヤ人の孤児たちのためのホーム「孤児たちの家」、
1919年にはポーランド人の孤児たちのホーム「ぼくたちの家」を創立した。
彼の独自の教育概念と教育システムは、ワルシャワ教育庁にも認められ、少年 審
判所の専門家などへの社会活動、教育活動の指導にもあたる。
また彼は、散文ライター、コラムニスト、エッセイスト、
ジャーナリスト、ラジオトーク、教育書の著者として、
20以上の本と、多くの新聞、雑誌の作品を出版した。
また、子どもたちの編集による新聞「リトル・レビュー」
の創刊と編集に携わる。
彼の多才な活動と幅広いジャンルでの執筆活動の
目的は、世界中の子どもたちがおかれている状態を
奥深く革新的に分析すること、そして彼の権利のため
の努力であった。
ヤヌシュ・コルチャック(ヘンルィク・ ゴールドシュミット) 1878−1942



KORCZAKIANUM―コルチャック研究所         

1950年代に、コルチャックに関する文書、出版物、
記録類、写真等の収集のためにコルチャック委員会
が発足。さらに1977年に教育学調査研究所にコル
チャック研究室が作られる。この研究室の仕事はそ
れまで社会的に運営されてきたコルチャック文書・
記録保管所の仕事を引き継ぎながら、体系的に絶
えまなくヤヌシュ・コルチャックの生涯の遺作を集め
まとめあげること、および国内や海外(イスラエル、
ドイツ、フランス、スイスなど)で活動的に発展する
コルチャック運動に協力し、普及することである。
1993年4月、コルチャック研究室は旧コルチャック
孤児院(現在はヤヌシュ・コルチャック記念孤児院)
に本拠を置き、資料文献・調査研究センター
"KORCZAKIANUM"(コルチャキァニウム)になる。
2001年1月1日から"KORCZAKIANUM"は、首都
ワルシャワ歴史博物館の分館として、文書・記録保管
記念館となる。




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